ロックとはなにか
70年に発表されたアルバム『LAYLA』とは、エリック・クラプトンとデュアン・オールマンのツインギターによって構成されたバンド、デレク&ドミノスの僅かな活動期間に残した、たった一作のアルバムであったが、ロック史上においては、それがロックの基本スタ…
ロックの曲で、スタンダード化して幾つものアーティストにカバーされたような、秀逸なる何曲かとは、歴史的にあるわけだが、その中でもジミヘンの「Little Wing」は、他による語り継がれ方、改造のされ方が、それぞれにとても面白い特徴的な一曲となった。何…
なんか先日深夜のラジオで久しぶりにタイマーズがかかったのを聴いたので、改めて調べてみた。活動期間は89年の一時期。そして再結成したのが95年の一時期みたいだ。なんか清志朗っぽいのがやってるなとは当時思っていたが特に興味はなかった。というか冗談…
今日昼のテレビを見ていたら、パリス・ヒルトンというセレブ?とかいう種類のアメリカ人だが、それが無免許運転で捕まって刑務所に入れられ、金の力で出たり入ったりしているが、その所謂芸能ニュースというのが、アメリカの視聴率でどの程度に支配力のある…
あのミル・プラトーにも登場するパンクロッカーといえばパティ・スミスである。パティ・スミスの何がすごいのかといえば、まず彼女の転がるような二十代の波乱万丈な人生、NYに出てきて、子供を作り離婚し、工場で働き、後にエイズで死ぬことになる写真家…
NYの歴史的なライブハウスCBGBにとって、70年代は記録的な時代となっている。ロックの基本形式を決定する上で、最も前衛的な実験が為された場所として記憶されることなる。77年以降、ロンドンを中心にしてパンクロックムーブメントが起きるとしても、既に…
デヴィッド・ボウイは1982年にクィーンと共同して一つ、曲を作っている。『UNDER PRESSURE』である。クィーンとボウイが共演することの意味とは何だったのだろうか。QUEENというバンドは、ロンドンに端を発する、70年代に、いわゆるハードロックというジャン…
デヴィッド・ボウイに『ASHES TO ASHES』というビデオになってる曲があるが、あれは奇妙なビデオである。ボウイが何物かのトラウマと戦ってる姿が抽象的に描かれている。白い四角い部屋の隅で丸くなり震えているボウイ。そしてピエロの格好をした背の高いボ…
70年代末に、ロンドンのJAPANと日本のYMOと、美学的なコミュニズムに惹き付けられる流れに共鳴しながら、音楽における形式美を追求する。現代的な音楽の流れをロックに至るまでの線から綜合化する視点、メタ的な形式によってそれらを抽象的に総括して示す流…
82年にJAPANが解散して、デヴィッド・シルヴィアンはソロワークとして充実した活動を迎えることになる。JAPANの中にあったポップな傾向は消えていき、シルヴィアンの向かい合うものとは、内在的な境地へと奥深く掘り下げていくことへと赴いていく。シルヴィ…
70年代後半のロンドンの文化的多産性というのは凄いものだった。それは基本的にロックの進化の流れを中心に連動して起きていた文化運動であり、ファッションからイメージ−映像・映画まで、極端な地点にまで究められ、実験され、爛熟した文化の姿がそこにあっ…
ニール・ヤングのバンドとして有名なのはクレイジー・ホースである。ニールヤングの全体的な軌跡を振り返ってみるに、クロスビー・スティル&ナッシュやバッファロー・スプリングフィールドといった、フォーク構成の楽曲の中からロックが生成してくる段階に…
ニール・ヤングの傑作アルバムというとき、人によって相当意見が分かれると思う。ニール・ヤングの浸透力というのは奇妙に広汎な範囲に渡っているからだ。ニール・ヤングが人を惹き付ける力の正体とは何なのだろうか。ある種のaddiction中毒性を持ったスタイ…
世良&ツイストの起源を見ることは勿論難しい話ではない。それはわかりやすい話であるには違いない。ロックンロールの形式が成立するのがアメリカで50年代のことである。ロックンロール(rockn'roll)の形式を定義としてあえて言ってみれば、先行したブルー…
70年代の日本の音楽市場とは、今振り返ってみてもなかなか面白い要素が満載で、分析すべきネタの宝庫ではあるのだろうとは前から薄々感づいていたのだが。海外から入ってきたロックの影響を、日本の歌謡曲的な楽曲のコードで段々に消化吸収していく過程にあ…
1 テレ東系の『ROCK FUJIYAMA』が絶好調である。この深夜番組が面白いのだ。ヘヴィメタバラエティとも言われる番組である。大人のロック推進化計画とも呼ばれている。深夜に奇妙な面白さを発散している番組である。いつ終わるのかもわからない。ネタ切れにな…
『悲劇』の精神といえば次に来るのは『パロディ』の精神ということだろうが・・・。パロディの精神とは笑いのことである。『Stairway to Heaven』とはかくも広く知られた名曲であるのだが、この曲をパロディ化して演じたビデオで面白いものがあった。まずはフラ…
レッド・ツェッペリンのアルバムには完成度が充ちている。レッドツェッペリンは結成から解散までの10年程度の期間に9枚のスタジオアルバムを残している。ドラマーのジョン・ボーナムの死によってバンドは解散することになった。各アルバムにはそれぞれの完成…
ニーチェ的な哄笑の響きとともにジョン・ライドンは宣言した。パブリックイメージ、それは制限済みであるのだと。ジョン・ライドンが音楽史的に施した仕掛けとは何だったのだろうか。それはまずセックスピストルズによるパンクロックの創生から始まった。パ…
この人を見よ?デイブ・スペクターとよく似てると云われるんだけど、僕の考えでは、この人本当はビートたけしとパフォーマンスのスタイルが同じなんではないかと思うのだが。たけしと同じ癖の動きをする人。・・・セックス・ピストルズ−それはあっという間に…
1970年にローリングストーンズはアルバム『Sticky Fingers』を発売する。これはローリングストーンズにとって画期的な転換を遂げたアルバムである。ジャケットの製作をしたのはアンディ・ウォーホールであった。レコードジャケットの中央部にはファスナーが…
フリートウッド・マックの過去の資料を幾つかyoutubeで見つけることができる。それはフリートウッド・マックが一番良かった時期、輝いていた時期、70年代の映像だ。フリートウッド・マックの音楽を正確に受け止め、正確に理解できる季節とはいつだろうか。そ…
ロックの発生時にとってコンサートの形式とは絶対的なものであった。コンサートの存在とはそのまま祝祭の存在であった。自主的なイベントを立ち上げるにあたって、ロックコンサートを付けるという方法は最も集団的な意識を高揚に導きやすい共通の方法論とし…
ロックという形式の誕生において発生の当初、コンサートという形式は不可欠であった。それは何故だろう。オーディオ装置から体験を伝播させるための流通メディアの状況が、六十年代においてまだ浸透力が乏しかった。メディアの規模自体もまだ小さく、何か事…
ロックというジャンルの音楽史的な形成において、ビートルズの音楽の生成された過程を振り返らずにそれを語ることはできない。ロックとは形式の単純化の中に最初に発生した。ロックが世界中どこにでも、一種の熱病のように、あるいはウィルスのように伝染し…
サイケデリックと呼ばれるカルチャーにとって、ジミ・ヘンドリックスの音とは代表的なものとしてよく挙げられている。サイケデリックの定義とは、もともとLSDの大量投与を人格解放療法として考案されたものが、大学の研究機関から追放され、メキシコにサイケ…
1. 黒人コミュニティで発達させられたブルースは60年代の後半になるともはや、ラジオ電波の波と拡販されたビニールレコードの出荷によって、至る場所へと浸透をしていた。知らず知らずと口ずさんでいるメロディがブルースのものになっている。三つのコードで…
1. マイケル・ジャクソンがMTVでヒットさせた代表的なるビデオクリップの「スリラー」を思い起こしてみよう。ビデオクリップは短くて単純な物語構成が施されている物だ。マイケルは(まだ若々しい表情をしている。もちろん整形手術の以前かそれかそれは全く…
1. マイケル・ジャクソンに逮捕状が出た。少年への性的虐待容疑である。マイケル・ジャクソンのこれの場合もいわゆる「セクハラ」というカテゴリーに当たるのだろうか。たぶんそれは当たるのだろう。彼を逮捕するに至るまでがどうやらマスコミ、メディアを世…
音楽史について考え直す。僕は昔から、現在のロックやポップミュージックなどを聞くにつれ、そのルーツからして、系譜学的に捉え直してみるのが好きでして。それは僕の趣味のようなものであったのですが。ロックの前にはジャズがあって、その背景にはアメリ…