よく晴れ渡ってはいるが冷たい風の強く吹きすさぶマンハッタンの地上に立っていた。それは冬から春へと移行する段階にあって最も中途半端な気温をもたらす故に体感温度では最も寒く感じるよくわからない天気ではある。風は冷たくても空は明るい。そのちぐは…

どうやら翌朝ニューヨークの空はよく晴れていたようだ。堅い床の上で数えきれない程の寝返りを打った挙句、気がついた時にはそれなりに気持ちのよい朝を迎えていたのだ。究極Ｑ太郎は先に起きていて、冷蔵庫の中を開けて調べていた。だだっ広いフローリング…

「思えばあれはイエスのような顔をした白人男だったのかもしれないな」部屋の中に入れた僕は振り向きざま究極さんに言った。「想像上のイエス・キリストというのは、ああいう顔をしてるじゃない。つまり、よく昔からある、絵に描かれてるようなイエスの顔だ…