2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

23-4

「わたしねえ。。。あの店でセクハラされたことが、ないんだよねぇ。。。」それはチャイナタウンのレストランで、食事の最後でデザートの点心をつつきながら村田さんが、俯き加減、いった言葉だった。 「なんか私がおかしいのかな?」 彼女は顔を上げて見回…

23-3

深夜で無人のすべてが機械仕掛けで動いているモノレールから降りて、僕は6番ゲートの建物に入った。ゲートの中を歩いて行くとそこには広い待合室が開けていた。深夜なので上の電灯は消しているが、薄暗くなっている広い部屋には、翌朝の発着を待つ人々が、…

23-2

バスの乗客は、一人減り、二人減りというように、次第に降りていった。運転手に降車する場所を告げ、運転手が配慮しながら客を降ろしていく。最後はバスの中に残っている客は僕一人となった。暗い景色だけを見ながら、これが本当に空港まで行くバスなのか不…

23-1

駅を出てから階段を伝い路上に降りる。そこは薄暗闇の中に寒いバス停になっていた。ニューヨーク市の郊外であり場所も名前もよくわからない場所だ。そして駅前だというのに特に街灯も乏しく、開いているような店もない。零時を過ぎているとはいえこちらのほ…