2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

情動の技術

エチカの第四部『人間の隷属あるいは感情の力について』で、スピノザの試みている作業とは何だろうか。 感情を制御し抑制する上の人間の無能力を、私は隷属と呼ぶ。なぜなら、感情に支配される人間は自己の権利のもとになくて運命の権利のもとにあり、自らの…

ルサンチマンの処理を巡る

1. Re=sentiment。ルサンチマンの意味とは、過去について再−感情化を施す心理学的な傾向にあたる。 ニーチェによれば、ルサンチマンを道徳法則として構築してしまったことが、キリスト教における最大の誤りである。ルサンチマン道徳の発生とは、それ自体はじ…

スピノザとニーチェ

1. 生前はまだその価値が埋もれていた著作家、スピノザの再評価、スピノザルネッサンスとは、歴史の中で何度か繰り返し現れている。18世紀にドイツ人においてスピノザの価値が発見され充実したスピノザ研究をもたれた。ゲーテによるスピノザ研究、スピノザ礼…

ポップトーン−それは現代における神曲である

ニーチェ的な哄笑の響きとともにジョン・ライドンは宣言した。パブリックイメージ、それは制限済みであるのだと。ジョン・ライドンが音楽史的に施した仕掛けとは何だったのだろうか。それはまずセックスピストルズによるパンクロックの創生から始まった。パ…

Public Image Ltd.

この人を見よ?デイブ・スペクターとよく似てると云われるんだけど、僕の考えでは、この人本当はビートたけしとパフォーマンスのスタイルが同じなんではないかと思うのだが。たけしと同じ癖の動きをする人。・・・セックス・ピストルズ−それはあっという間に…

反復される『Wild Horses』

1970年にローリングストーンズはアルバム『Sticky Fingers』を発売する。これはローリングストーンズにとって画期的な転換を遂げたアルバムである。ジャケットの製作をしたのはアンディ・ウォーホールであった。レコードジャケットの中央部にはファスナーが…