2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

10-2

途中で何回か道に迷った。究極さんはガラガラ音を立てながらトミー譲りの少々コンパクトな旅行用キャリーバッグの車輪を転がし歩いていた。ニューヨーク市の地図を持って歩いているのはずっと究極さんで、僕はただ言われるままに頭の中はぼんやりとしたまま…

10-1

夜になって歩いていた場所はイーストソーホーだった。究極さんと肩を並べて暗くなった舗道を、ビルディングの密集からは程離れたマンハッタンの区域を歩いていた。マンハッタンの中でも煩気な場所があり商業的な場所がありビジネスライクな場所があり、そし…

9-11

よろけるようにもつれた足取りで歩き出し、寒い日の午後、ビジネスライクな空気の漲るマンハッタンの街角をしばらく流れていた。ここの人々はビジネスマンが多いのか、あるいは中には学生の数も多くカジュアルな様相で歩いてる人も多いのか、そして車が混雑…

9-10

空から雪がぱらついているのも気づいた。マンハッタンの歩道で、ビジネスや学校で人が入り混じる賑やかな街角の午後である。向こうの方から声を掛けあって歩いて来る一団がある。グループは数人で幾つかに分かれ、その集団が次から次へと流れていく。制服を…

9-9

大学の中で混雑を眺めているのも次第に疲れてきた。僕はどうも一箇所に留まっているとただそれだけで気分がもう悪くなってきてしまうのだ。単に飽きたというだけでなく、じっとしていると体調の悪さまで直に向い合ってしまう。実際気分の悪さはまだ続いてい…

9-8

図書館からの通路を校舎の方に戻ってくると、そこには学生達の大きなラウンジのような広場が開けていた。奥には大教室へ入る扉が並び、手前は大きな空間が開けていて、学生達は忙しくそこを通過しているか、一方ではDJブースを出して音楽を流していて、もう…

9-7

こうして僕の前にはまた突如として暇な時間が開けてしまった。体調は相変わらずきもち悪いし外へ出れば気温は相変わらず零度以下だし、何したらいいのかわからない。しかし体は弱ってるのでそれでも一人で休んでるのが最も幸いだった。外は変な天気だ。また…

9-6

学生達のカフェで、並んでいる列に混じって、コーヒーとケーキをトレイに載せて、レジで料金を払い、できるだけ端の方へと歩いていき、テーブルに座った。カフェの隅の部分から、この大学の賑わう声が雑多に立ちのぼっている中で、人々の顔と表情を観察でき…