2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

超越論的動機=ブラックボックス

1. 世界宗教の「始祖」たちの出身は、オブスキュアである。いいかえれば、彼らは共同体が保証する根拠をもっていない。彼らは、シャーマンではなく、英雄でも天才でもない。つまり、彼らは共同体の物語や言説から逸脱している。しかも、それに明確に対立して…

権力のゲームと普遍性概念の所在

1. 権力批判として現れた世界性の観念も、いつでも再び権力の側に転じうる。どちらがより包括しうる大きな世界性を示しうるかというのは、それ自体権力の交替を巡る社会闘争の条件になる。一次的に権力の立場から誇示された世界性を、ネガティブに転じること…

世界性の起源

1. 他者と対峙するにあたって、宗教的に問題を見るやり方として、まず大前提としての、1)他者を殺してはいけない。 という一次的なる根源命法があり、2)しかし実践的には、他者を殺さなければならない。(そういう時も必ずある。)しかしそのとき行為の宗教…

世界宗教の問題

1. 柄谷の定義する他者とは幾分、特殊な他者の規定を用いている。 『探究Ⅰ』において、私は、コミュニケーションや交換を、共同体の外部、すなわち共同体と共同体の間に見ようとした。つまり、なんら規則を共有しない他者との非対称的な関係において見ようと…

柄谷行人の『探究』の成立

1. 柄谷行人にとって、過去に自分が書いた認識を撤回するとは、どのような条件によって可能になっているものなのだろうか。そこには幾ばくかの不思議が残っているのだ。我々がもう既に、よく知るとおりに、柄谷行人の軌跡とは揺れ動いてきた。言った事を変更…