2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦争機械の帝国的配分Ⅲ

アメリカ人はハッキリさせたがる傾向を持つと同時に、しかしいつもそのハッキリさせ方によって、何か方針を間違い続けているという、パラドキシカルな性癖がある。自分の内部にある意見を自分の欲望の持ち方とともにハッキリさせようと、外向的に放出させる…

戦争機械の帝国的配分Ⅱ

世界資本主義は自ら存続するためにネーション=ステートを取り込んだが、存続するためには、さらにそれを自ら破壊することを辞さないのである。・・・ネーション=ステートは白紙から生まれたのではない。それは先行する「地」としての帝国の解体と分節化によ…

戦争機械の帝国的配分

1. マイケル・ムーアは語っている。 コロンバインの事件はきっかけにすぎない。構想自体は長い間、温めていたものだ。アメリカ人が暴力行為に走り、解決の最終手段として「力」violenceを選んでしまうのか。幼い頃から疑問だった。米国民なら皆、感じてると…

セキュリティの起源Ⅲ

1. 「ボウリング・フォー・コロンバイン」の映画において、前半部はアメリカでは何故銃の所持を禁止にできないのかという理由を、マイケル・ムーアが様々なアメリカ人の元へ取材にいくことによって、アメリカと銃の関係についてのイデオロギー的ともいえる、…

セキュリティの起源Ⅱ

「ボウリング・フォー・コロンバイン」によってこのようにアメリカの歴史が語られている。 ピューリタンはイギリスで迫害に脅えていた。彼らはそれで船に乗ってアメリカ大陸に大量に移住してきたのだ。だが新世界に到着した彼らは「野蛮人」に遭遇しまた脅え…

セキュリティの起源

自衛を身に付けることは義務である。特にそれはアメリカにとっては国民の義務である。自衛力がないこと、自分で自分の身を守ることが出来ないことは無責任にあたるのだ。・・・マイケル・ムーアは銃の使用について、普通のアメリカ人の日常生活の現場を訪ね…

夜中に早稲田から六本木へ移動すると落差感がすごいです(カルチュラル・ギャップ)

昨夜は、あかねで友人と待ち合わせて、六本木の芋洗坂へ。友人の知り合いで美術手帖系のとある女性ライターが、去年バーを開いた。話には聞いていたがそこを訪れてみた。あかねは昨夜は人が多くってごった返していたのだが、我々が店を出る際になって山根さ…

『ボウリング・フォー・コロンバイン』

マイケル・ムーアは語っている。(『ボーリング・フォー・コロンバイン』DVD版に収録の監督インタビューより) この映画が焦点を当てているのは、コロンバインの事件や銃規制問題ではない。それはアメリカ社会に根ざしているもっと大きな問題点、つまり我々…

アメリカと戦争機械Ⅱ

1. アメリカは戦争機械を抑圧しない。世界の強国の権利として警察権を行使し、他国の政治とグローバルレベルのセキュリティに自分が中心に深く関与しようとするが、アメリカ自身は国内の内部にも決して戦争的なものを抑圧はしていないのだ。社会体の構成にお…

アメリカと戦争機械

1. アメリカとは国家の成り立ちの根本的なメカニズムからして、元から逃走によって生き延びている国家であった。逃走と自由の獲得を巡ってアメリカは原動力にして生きている、動いている。それがアメリカという国家の全体性にとって根幹的な部分である。だか…

アメリカと左翼の消滅

1. 60年代のヒッピーの運動の中で展開した資本主義批判とはそこで見られる傾向性として、それは人間性についての原始回帰的なプレモダン性というのを、最新の物質文明的な科学的テクノロジーと融合させることによって、新しい文化的な世界像を創造しようとい…

モダニズムと労働概念の変容

1. 酒井隆史は「労働拒否」の概念について次のような注釈をつけている。 ここは誤解が生じやすいところだと思うが、「労働の拒否」とはけっして生産性や生産活動の拒絶ではない。けっして「なにもしない」ということの肯定ではないのである。「なにもしない…

ヒッピーとアウトノミア

1. 1960年代、アメリカ社会の豊かさとはもう既に飽和的状況を迎えていたように見える。資本主義の高度化の達成によってもたらされた物質的な豊かさは、情報化とメディア化の革命的進行とも相まって、社会の高度化としては、今までの世界史的には類例を見ない…