2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

YOUNG BLOOD

リッキー・リー・ジョーンズがアルバム『浪漫』でデビューしたのが79年のことであったのか。リッキー・リー・ジョーンズのセンスだが、アメリカの音楽史が、ポップの側面からもジャズの側面からもよく凝縮されて出てきたという感じ。出るべくして出てきた、…

『LITTLE WING』伝説 4

ジミ・ヘンドリックスのオリジナル版リトルウィングとは、2ndアルバム『AXIS=BOLD AS LOVE』に収録されている小品だった。ヘンドリックスが、後に名曲として確立されることになるこの曲を演奏してる姿とは、状態のよい映像では、どうやら残されていないみた…

「公が善である」とは、どういうことか?

社会にとって、意思決定を大枠で為す決定のプロセスとは、自然に出来上がったものとして大まかな形を所有している。それは社会に生きる個人にとって、「公」の領域と「私」の領域を、うまく繋げながら横断するものである。何が善であるか悪であるかを決定す…

『LITTLE WING』伝説 3

スキッド・ロウがリトルウィングをカバーしている。スキッドロウをグランジととるかメタルととるかも見方が分かれるが、心性としては限りなくグランジに位置し、90年代のアメリカで中産階級的な若者の抱える鬱屈、遣り切れなさといったものをぶつけたヘヴィ…

『LITTLE WING』伝説 2

70年に発表されたアルバム『LAYLA』とは、エリック・クラプトンとデュアン・オールマンのツインギターによって構成されたバンド、デレク&ドミノスの僅かな活動期間に残した、たった一作のアルバムであったが、ロック史上においては、それがロックの基本スタ…

そこには循環があるという事に、人々が早く気付くこと

時代的なサイクルの中で、社会運動というのも、何かのサイクルとして存在している。しかし、運動が何かの間違いを孕んでいるとき、どのようにして社会の人々はそれに気付くのだろうか。そこに何かの誤りが含まれているとき、大抵の人はすぐには気が付かない…

『LITTLE WING』伝説

ロックの曲で、スタンダード化して幾つものアーティストにカバーされたような、秀逸なる何曲かとは、歴史的にあるわけだが、その中でもジミヘンの「Little Wing」は、他による語り継がれ方、改造のされ方が、それぞれにとても面白い特徴的な一曲となった。何…

変態としてのニュートン

17世紀から18世紀に生きたアイザック・ニュートンの残した予言というのが、何故だか今頃出てきたらしい。 「早ければ2060年に世界の終末」 ニュートンが予言英国の数学者・物理学者アイザック・ニュートン(1642〜1727)は「早ければ2060年…

戦士の休息

かつて角川映画の『野生の証明』という映画が流行った。僕はこの角川映画のシリーズが結構すきで、野生の証明も、中学で中間テストが終わった後に、ともだちと池袋劇場まで見に行った記憶がある。薬師丸ひろ子がデビューした映画で、高倉健さんが出てる。夏…

『アポカリプト』で、メル・ギブソンが説明を怠っている物の正体

前作『パッション』に引き続くメル・ギブソン監督の映画『アポカリプト』は、再び彼にとっての、キリスト教文明の優位を確認するものとなっていた。この映画は、かつて南米にあったマヤ文明の崩壊前夜を描き出している。apocalypt−黙示録とは、新しい始まり…

『スーパーサイズ・ミー』−食と身体とマクドナルド

少し前に話題になったドキュメンタリー映画で、現代人にとっての食の意味を問い返した作品『スーパーサイズ・ミー』を見る。結構、これを見て色々考えた。食について問題にするということは、数年前まで余りなかった。体重が増えたら運動すればよい程度のこ…

勝手にシンドバッド

昔のサザンは確かによかった。衝撃的だった。一時期のサザンである。しかしサザンは何処からか確実に詰まらなくなった。どんなバンドでも長く続くと悪くなるのだろうか。バンドに寿命とサイクルがあるのなら、そういう意味ではサザンは平均的だった。ある意…

タイマーズとは何だったのか?

なんか先日深夜のラジオで久しぶりにタイマーズがかかったのを聴いたので、改めて調べてみた。活動期間は89年の一時期。そして再結成したのが95年の一時期みたいだ。なんか清志朗っぽいのがやってるなとは当時思っていたが特に興味はなかった。というか冗談…

ネットにおける文化と戦争的過程

ある種の現象について、しかし「ネットイナゴ」とはよく言い得た言葉である。ネット上の表現における個々の仕組みが崩壊するとき、それはネットイナゴの攻撃によってやられる。ネットイナゴの現象にとって、その象徴的な巣とする場所とは2ちゃんねるである。…

異邦人

この曲がベストテンで1位をとったのは79年みたいだ。なんとかイスタンブールなんて曲もあったけど中東イスラム系音階が、エキゾチックとかいう言い方で当時導入されることが流行った。曲はばっちり歌謡曲だけどイントロに差異化する音階を入れてキャッチー…

社会保険庁のケース

社会保険庁で年金の管理を巡って、実はどういう実態だったのかというのが、今になってやっと発覚して、一部はパニックにも陥っている。年金を払った記録を、なぜ一本化してまとめることに失敗したのか、社会保険庁の中で起きていた事とは何だったのかという…

桑田佳祐のハイウェイ・スター

かつてロックというジャンルが、日本の社会で一般化していく過程で、それは大体70年代の一時期と考えて、誰でもロックをイメージするとき、ロックを学校でバンド演奏するとき、それが共通言語として流通し、このフレーズが出ただけで、皆がそれを了解した、…

コムスン経営破綻に見る経済の微妙な次元

コムスンが経営破綻したということで介護福祉業界の話がニュースに出てきている。僕の周辺にも介護で働く人達はわりと多かったが、話で聞く限りは、介護は楽で金がいいという話が多かったのだが、今回の報道で出てきた介護業界の実情をみると、自分の周囲に…

河瀬直美と死生観、そして映像における日常性の意味

今年のカンヌでいい線までいったという日本の女性監督河瀬直美の作品をはじめて見てみる。調べるとまだDVD化になっていない映画も何本かあるのだが、とりあえず近所で借りられるのが『沙羅双樹』という03年の作品と、それからGyaoで見られたのが、97年に…

空白の80年代という砂漠を埋めた音楽

今日昼のテレビを見ていたら、パリス・ヒルトンというセレブ?とかいう種類のアメリカ人だが、それが無免許運転で捕まって刑務所に入れられ、金の力で出たり入ったりしているが、その所謂芸能ニュースというのが、アメリカの視聴率でどの程度に支配力のある…

自然科学から考え直す

人文系の思想としてよく出てくるのは、曖昧模糊な概念だが、それらが本当の、意味のある概念なのか、現実的には一体どの程度までに妥当性、有効性のあるものなのか、検証するためには、大体、それを自然科学系の真実のモジュールと照らし合わせることによっ…

『監督・ばんざい!』−北野武作品再見

北野武の新作『監督・ばんざい!』は、六十を迎えた北野武にとって、自分の軌跡を振り返る意識的な、メモリアルな作品に仕立ててあった。北野武作品にとって面白さとは何だったのだろうか。自分の映画にとって面白さとは何かとは、この映画の中で北野武が、…

変わるさいたま

昼間にちゃりんこを一時間ほど飛ばして、さいたま新都心にあるシネコンまで、北野武の新しい映画をみにいった。さいたま新都心とは、僕にとって少々奇妙な街である。何もなかったところに近年、最新のテクノロジーを注ぎ込んだようなハイテク都市を人工的に…

「運動」が自分自身を浄化するとき

日曜日の深夜に、外山恒一と松本哉の出演したラジオを聴いた。テーマは「運動」という事で、社会運動の在り方における現在的な位相というものが、どういうものになっているのか、何処まで来ているのかを知る上で、決して啓蒙的とは言い難いとしても、かなり…

松本人志の『大日本人』−吉本式喜劇からアルトー式残酷劇まで

松本人志の第一回監督作品『大日本人』を見てきた。前評判の怪しい前触れを察知して、もしかして本当に面白いのかもと微妙な胸騒ぎをもって、公開初日に早速見てしまった。近所のシネコンのレイトで見たのだが客の入りは多いほうだったと思う。客層は若い人…

オリヴァー・ストーン、映画、メディア、ジャーナリズム、

数年前に大学を卒業し映画を撮るために現在奮闘している友人がいるのだが、以前、彼に2ちゃんねるの話について相談していたところ、それならオリヴァー・ストーンの『トーク・レディオ』という映画見てくださいよ、と勧められた事があった。調べてみると、8…