変わるさいたま

昼間にちゃりんこを一時間ほど飛ばして、さいたま新都心にあるシネコンまで、北野武の新しい映画をみにいった。さいたま新都心とは、僕にとって少々奇妙な街である。何もなかったところに近年、最新のテクノロジーを注ぎ込んだようなハイテク都市を人工的に作り上げた。高層ビルもあれば、巨大アリーナもある。いつも面白いと思ってるのは、ここの駅を横切るときに通る、駅にかかる円状アーチの建築の構造である。鉄骨を丸めて天井のアーチを作出している。通るだけでも僕にとって気持ちのいい建築である。出来あがった巨大アリーナには、今では海外の大物アーチスト、U2ストーンズまでコンサートしに来る。埼玉が変わったというのなら最も象徴的に示す場所である。ダサイタマなんて云われてる筋合もない。アリーナに隣接したビルにはジョンレノンミュージアムも入っている。オノヨーコが与野市出身だから、天下のジョンレノンのものがこんな場所に誘致されたのだ。先行的に作られた人工的な街なので今はまだここを使用する人々も少ない。ハイテクな外見に田舎らしい人の少なさが平日などに訪れて妙に心地いいのだ。少しちゃりんこを飛ばせば荒川沿いの田舎の景色が現われるが、地元の人間が利用するには夢のように楽しい場所だと思う。帰りには少々ザーザー雨にも降られたが初夏の空気が気持ちいい夕暮れの中を帰ってきた。