2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

パロディ化される名曲の精神

『悲劇』の精神といえば次に来るのは『パロディ』の精神ということだろうが・・・。パロディの精神とは笑いのことである。『Stairway to Heaven』とはかくも広く知られた名曲であるのだが、この曲をパロディ化して演じたビデオで面白いものがあった。まずはフラ…

Stairway to Heaven−『天国への階段』における悲劇の精神

レッド・ツェッペリンのアルバムには完成度が充ちている。レッドツェッペリンは結成から解散までの10年程度の期間に9枚のスタジオアルバムを残している。ドラマーのジョン・ボーナムの死によってバンドは解散することになった。各アルバムにはそれぞれの完成…

悲劇とヒステリー

フロイトは、ヒステリーという現象に見られる客観的な構造を分析している。ヒステリーとは精神の均衡体系における恐慌状態である。この恐慌は何処から起こったものなのか。何を前兆にやってきたのか。我々は前もってその前兆を知ることはできなかったのか。…

デレク・ジャーマンの『BLUE』

1. 90年代、イギリス人映画監督のデレク・ジャーマンは身体をエイズに冒されていた。余命幾ばくもないということを自ら悟りながら、最後に数本の映画を撮っていた。93年に二本の作品を完成させる。それは『ウィトゲンシュタイン』と『BLUE』である。プロデュ…

ウィトゲンシュタインの解明

1. しかしこのような宗教的的な儀式性の意識に起源をもつ、ちゃんと読むという強迫観念、そして、ちゃんと読めという強迫的命法の意識(意識過剰)が、実際には少しもテキストを正確に読むという営為には寄与しなかったということは明らかである。ここでウィ…

タリバンの子供たち

1. 『カンダハール』という映画の中に、アフガニスタンの神学校の中で学ぶ子供たちを描写しているシーンがある。子供たちはコーランを朗読している。頭にターバンを巻きつけたたくさんの子供たちが、おのおののコーランに向かい合い、唱えながらしきりに頭を…

オカルト的

1. オカルト的である、とはどういうことか? オカルト的であるとは、自己を啓示的だと感じていることである。 2. だから、オカルト的な意識とは、他ならぬ、オカルト的な自己意識の事である。 人類の歴史は、このオカルト的な物の意識から、いまだ自由になっ…

『寛容さ』という感情の起源

ニーチェは、人間にとって、寛容さという感情の出来上がる起源について、それが果たして倫理的な思考に発するものであるのかどうかということについて、ある疑義を提出しているのだ。 共同体はその権力が強まるにつれて、個人の違反をもはやそれほど重大視し…

プロレタリアートの黄昏

1. 西洋システムの歴史的な歩みとはローマ帝国以来のキリスト教システムの発展過程に重なっている。それはキリスト教が全体的な統治システムとして完成していく過程である。ルネッサンス期以前までのキリスト教システムとは精神主義的な抑圧性が強固に機能し…

天国と共産主義

マルクスの『ドイツイデオロギー』のノートに残っているとされている、次のようなマルクスの記述は有名である。 共産主義というのは、僕らにとって、創出されるべき一つの状態、それに則って現実が正されるべき一つの理想ではない。僕らが共産主義と呼ぶのは…