オカルト的

1.
オカルト的である、とはどういうことか?
オカルト的であるとは、自己を啓示的だと感じていることである。


2.
だから、オカルト的な意識とは、他ならぬ、オカルト的な自己意識の事である。
人類の歴史は、このオカルト的な物の意識から、いまだ自由になったことはない。

将来において、ひとは、それから自由になることができるのだろうか?


3.
否。ひとはそれから自由になることはできる。幾らかの人々は既に自由である。要は、オカルト的な意識が社会からなくなるということがあるのだろうか。それは難しい。


4.
啓示の本質とは無根拠である。
つまり啓示を感じ取ることは、偶然についてそこに自分の勝手な意味を投影したことにすぎない。勝手な意味の由来とは、けっきょく自己の気分であり、状態であり、それは偶然である。


5.
そう考えると、オカルト的な意識の実体とはナルシズムであったことがわかる。


6.
オカルト的な意識を根拠付けること。特に論理的に根拠付けること。それは最初、人間の歴史にとって神学という形式となって現れた。神学はやがて体系化された。あるいは体系を自称することが出来るよう、一定の量的な厚みとして、全体性を持った。それは文章による記述という体裁になって、社会の中で流通し、回覧されるようになった。