Wish You Were Here

『Wish You Were Here』のビデオを探していたら、この曲が演じられたものの中でも一番良かったものは、これではないかと思った。VELVET REVOLVERというバンドがライブで演じカヴァーしたWish You Were Hereである。もちろんこの曲が、ピンクフロイドにとっての最も重要な曲の一つであるということは、自明の話である。ヴェルヴェット・リヴォルヴァーというのは、要するに元ガンズで、ガンズでアクセルが嫌になってやめたメンバー達が、アクセル抜きで、ヴォーカルに、ストーンテンプルパイロットだっけ?のシンガーを招いて作り直したバンドであるんだけど、聞いてもそんなに良いと思ったこともないんだけれども、時々やっぱり、はっとさせられるようなロックを演じていることがあるバンドだと思う。このバンドは、現在進行形のロックバンドであるけれども、もうここまで来ると、ロックとはあらゆる意味で懐メロでしかないなとか、自己言及的な繰り返しでしかないなというのが、本当あらゆる意味で自覚されるような段階を象徴はしていると思う。だからこそ、敢えてそんな懐メロとしてのロックをベタに、ピンクフロイドに準じて演奏するというのは、とても味があるんだろうけど。さすがに、キャリアは完璧なだけあって、上手い演奏だとは思う。こういう風にピンクフロイドが反復されることの、なんと粋な事よという感じである。こんなにカッコよくこの曲をカヴァーできるのも、彼らならではで、スラッシュのギターを弾くセンスも、いつもはマンネリ化しているものの、この曲ではいい線いってる。とにかく、元の曲は素晴らしい曲だし、ピンクフロイドイデアとは、こんな形で反復されるのもありなのかとは、ちょっと目から鱗が落ちる感じでもある。とっても、「ワイルド・アット・ハート」な風情での、この曲である。