Dead Flowers

さて、僕が高校時代にお気に入りだったストーンズの曲の重要なソースを早速見つけた。アルバムでは『Sticky Fingers』に収録されているが、少々マイナーで渋い曲だったが、この曲は妙に耳に残り、心の中で無意識的に何度となく反復したものだった。

DEAD FLOWERS
(M. Jagger/K. Richards)

そうさ。君がそこでシルクの革張りの椅子に座っているとき 
君は知り合いの金持ちたちと和んでいる 
そうさ。僕は君に僕の惨めな連れ合いなんて見られたくないのさ 
僕が一人じゃ生きれないってことを、君はよく知っていただろう?

連れて行っておくれよ リトルスージー /君が自分をアンダーグラウンドの女王だと思いこんでいる事はよく知っているのさ  /そう。毎朝僕のところにデッドフラワーズを送ってくれないかい /デッドフワラーズを郵便で送ってくれよ /僕の結婚式にもデッドフラワーズを送ってくれ /そして僕は君の墓にバラを捧げる事を約束しよう

そうさ。君がローズピンクのキャデラックの後ろに座っているとき 
ケンタッキーダービーの馬券を決めながら 
そのとき僕は地下室に篭ってることだろう。僕の針とスプーンを携えて 
そうさ。また別の女が僕の事を癒してくれるのさ

連れて行っておくれよ リトルスージー /君が自分をアンダーグラウンドの女王だと思いこんでいる事はよく知っているのさ  /そう。毎朝僕のところにデッドフラワーズを送ってくれないかい /デッドフワラーズを郵便で送ってくれよ /僕の結婚式にもデッドフラワーズを送ってくれ /そして僕は君の墓にバラを捧げる事を約束しよう

そして僕は君の墓にバラを捧げる事を約束しよう

70年代前半のライブの模様である。ミックテイラーの何処までも終わりなく伸びるようなソロの弾き方が気持ちいい。そんな時代のストーンズである。僕は高校生の頃に、ローリングストーンズ来日支援集会なる情報をたしか「ぴあ」で見て、中野かどこかの会場でストーンズの映画が延々と流されている会場にいったことがあったのだが、たしかそのとき流れていた映像が、これだったのではないかという気がする。このストーンズの曲がいいんだよ。特に歌詞がいいのだ。僕は一見マイナーなこの曲を、高校二年のときにバンドでカバーして演奏したのだ。そしてそれから随分時間が経ったのちに、やっぱりこの曲は素晴らしかったと裏付ける事実を知ったのだ。

ガンズアンドローゼズが90年代の初頭のライブで、この曲をアコースティックによってカバーしてライブでだけ演奏して回ったのだ。ガンズ版デッドフラワーズはブートレッグでしかない。僕は最初にそれをWINMXで落とした。映像のほうはyoutubeにも出てはいるのだが、どうも状態がよくない。ガンズ版のデッドフラワーズの方が実はストーンズ版より素晴らしい出来になっている。ガンズがストーンズのこのような部分、マイナーだけれども精神的にはもっとも闘っている部分について詳しかったという事実を知ったのは面白かった。ガンズの場合もやはり彼らのワークの中でアンプラグドの部分が素晴らしいのだが、「Used to Love Her」という曲があって、それはまさにストーンズのDead Flowersを下敷きにして作ったような曲である。ただ、ガンズのこの曲の場合、朗らかで淡々としたメロディの下で、ストーンズとは違って歌詞の内容は相当にヤバイのだな。ガンズのソングライターはアクセル・ローズなんだけれども、彼は80年代のアメリカにおけるロックムーブメントの方面からの、いわば動物化するポストモダンを象徴するような人物で、歌詞の内容は典型的なWASPだったり差別的だったりする。実際何曲か放送禁止にもなっている。80年代のアメリカに起きた、このヘヴィメタルシーンから出てきた動物化的なマチズモの現象については、後に詳しく書く予定です。