『うたばん』という

TBSの番組は、妙に退廃しきってるところが面白い、というか奇妙に興味を惹く番組だ。実は僕の高校時代の知り合いにはテレビ業界のこういう部分に入ってるのがけっこーいる。

業界の全体から見れば、うたばん的なものの制作とは、人間の低劣な部分の危険性、それと公共的電波の担うギリギリ接点のような場所に面白さを表現させようとするのを、その役割にしている。

人間的なものと名声、有名人、そして性欲と自己顕示の欲望によって生じる最も危険であるが故に下劣な部分に、ある種の面白さを見ようとするものだ。それは放送コードの限界によって争われている。どんなにその低劣さを指摘されても、ゴールデンの時間帯、もっとも多く人が見る時間にこういうものがよく受けて流通する事実とは確実にある。

テレビ局の側は人間のそういう性質をよく把握している。研究しつくしている。

今夜のテーマは青田典子や、インリン、そして氣志團綾小路のソロだったりする。そこで焙り出されるリアルな業界的人間像、有名性と金銭と性欲の巻き上げる世界における本音が、チラリズム的に垣間見せられるのだ。そこを技術的に引き出す係が石橋であり中居くんである。