月曜深夜に東京でやってる番組

ベッキーの『月光音楽団』という番組がすきでよく見ているのだが。
http://www.tbs.co.jp/gekko-ongakudan/

今夜はPUFFYの十周年記念ライブをやっていたのだ。実はパフィーはスゴイですね。気がついている日本人がどのくらいいるかわかんないんだけれども。今アメリカで成功してる日本人アーティストの中でパフィーはスゴイ。パフィーアメリカでの浸透力は凄まじいのだ。アメリカで成功してる日本人といえばイチローとか松井の名前がまず挙がることが多いのだろうがパフィーアメリカでは大した有名人であるという事実には気付かない。

アメリカの壁とは今まで厚かった。かつて矢沢の永ちゃんが挑戦した。ピンクレディが挑戦した。しかし彼らが経験した壁の厚さを軽々とクリアしてしまった日本人アーティストがここにいるのだ。坂本究でも引田天巧でもない。少年ナイフでもバウワウでもない。それがパフィーである。パフィーのアニメ番組が制作されてアメリカで流したところ大ヒットした。もちろん彼女たちの曲も大受けした。戦後文化の歴史の中で、今まで数多くの日本人が成し遂げようとして挫折してきた壁をパフィーは軽々とクリアしてしまったのだ。

パフィーの曲の元ネタがELO(ジェフ・リン)でありオリビア・ニュートン・ジョンがかつて演じた「ザナドゥ」であることは聞く人が聞けば一目瞭然である。パフィーのソングライター、最初は奥田と陽水だったのだが、それらをうまくパクリ吸収し、「アジアの純真」を書き上げた。そしていまや「アジアの純真」はアメリカの子供たちの間で大うけしている。子供たちはそれがかつてオリビアによって歌われていたアメリカ映画のタイトルとそっくりであることにも殆ど気付いていないことだろう。アメリカでアイドルになることに成功するというのは、日本人にとっては凄いことだったのだ。少なくとも今までの常識では。しかしパフィーアメリカ成功した理由はなんなのだろう?

これはアジア系の人間がアメリカ社会に以前よりも遥かに多く進出しているということも大きな理由になっている。アジアのアーティストがアメリカでレコードを出しても売れないのは、それを支持してくれる人種的母体に乏しいからだ。ヨーロッパの白人系アーティストならばこの壁はアメリカで全く存在しない。イギリスのものだろうとドイツのものだろうと、皆同じ白人による生産物だということで安心して流通する仕組みがアメリカには長く出来上がっていたのだ。彼らは自分たちの故郷としてのヨーロッパのキリスト教社会から流れてきたものをいつも自分たちの仲間意識の中で受け入れてきた。日本人がレコード出しても売れるのが難しかったのは、そのような購買層としての層の薄さによるものだったのだ。

シンディローパーが先日来日していた。フジの番組でシンディにインタビューアーがパフィーの話をふったとき「OH、PUFFY!」とシンディは嬉しそうに目を丸くして輝かせていた。シンディでも好きなパフィーなのだ。実はパフィーは既にすごいアーティストなのだ。しかし日本の人達はそのことに気付いていない。番組での扱いもあんまりよくはない。その辺にいてくださいという程度の芸能人である。

しかしそれでよいのだと思う。だってパフィーなのだから。それ以上偉くなったら彼女たちはパフィーではなくなってしまうことだろう。