mixi戦争2

三洋電機事件」でアカウント多数削除
「いきなり削除」は、06年8月頃から問題になっていた。ネット業界では、「上場を成功させるためと、ナショナルクライアント(広告)が政治的なこと、アダルト、誹謗中傷などを嫌い、積極的に排除を始めた」という見方が広がっていた。
そうした中、06年10月5日にmixi上で起きた事件で、それがはっきりしたようだ。三洋電機の社員が、自分の彼女のワイセツな写真と自宅住所、電話番号などの個人情報を、ネットに流出させた。そのワイセツな写真が、彼女が参加しているmixiのコミュで公開され、mixi側は、騒ぎに関係したと考えられる多数のアカウントを削除したのではないか、というわけだ。

  • 一個の個人日記で、誰かの誹謗中傷なり、プライバシーの暴露をする。その人が同じミクシィ内にいるのなら、その人をアクセスブロックにかけておいて、他の人にはその内容が全体公開するように仕掛けるといった嫌がらせである。このようにミクシィの仕組みを逆用することによって、荒らしや嫌がらせ行為をやることもできるわけだ。ミクシィの機能とは、必ずしも個人を守りうるわけでもない。しかしまだミクシィの運営部に救いがあるとすれば、2ちゃんねるとは違って、個人からの通報に対して最大限に配慮して意見を組み入れるよう、努力しているのだろうという姿勢にあるだろう。これは一つ一つ対応していくのは大変な作業になるだろうが、この姿勢が維持されている限りは、ミクシィはまだ社会的機能として生きているということになる。*1
  • またこういう問題もある。面白いのは、というか若干驚くべき事なのは、今では中核派革マル派のようなものが普通に、コミュニティとしてmixi内には存在しているという事実である。これは面白い現象ではないだろうか。オウム真理教(現在アーレフだが)もあるし、コミュのメンバーに入ってるからといって、別にその組織と何かあるというわけでもないだが、カルト宗教やセクトのようなものが、割合大っぴらにmixiの中では活動しうるというのも、またこれは興味深い、新しい現象である。上祐さんのファンクラブもある。もちろんそれが公然と名乗って存在することもあれば、秘密裏に触手を伸ばすことも可能であるだろう。アクセスブロックの機能をうまく使えば、社会的に問題あるとされるようなカルト組織や、あるいはマルチ商法のようなものでも、うまく告発者や敵の存在に対してブロックをかけながら、さり気無く不特定多数の領域に足を伸ばし、会員なり仲間を拾ってくる、増やすということもできてしまうのだ。カルトやマルチにとっては自己増殖のために、これ程好都合な武器もかつてなかっただろう。この点からも、将来mixiの中で進行している問題が新たに事件化してくる可能性もあるだろう。しかしこれは逆に取ってみれば、公安のような立場からすれば、上から情報を取り放題ということにもなるので、警察的な管理の側面からしても、mixiで多数の有象無象を無制限に泳がせておくというのは、都合のよい条件になっているはずである。

*1:mixiは昨年度に株式上場を果たしている。株値として多額の期待値をつけたので世間を騒がせた。それに対して2ちゃんねるが、上場のような社会的承認を得るということは、もうありえない事だろう。2ちゃんねるのような不信感ではなく、mixiの場合はその社会的信用性を元手にして、資本としての生命を作っている。つまりmixiソーシャルネットワーキングのサービス機関として、社会的批判には直接に開かれているだろうということであって問題が起きてくれば、そのスタイルも幾らでも変更されうるのだろう。